玄孫とはどんな続柄?読み方や曾孫との違い・相続権を家系図で徹底解説
長寿のお祝いや親族の集まり、あるいは戸籍や家系図の整理といった場面で耳にする機会がある「玄孫」。しかし、実際に自分から見てどの位置にあたる血縁関係なのか、あるいは正確な読み方や法的な位置づけまで即答できる人は多くありません。超高齢社会を迎えた現在の日本において、100歳を超える高齢者が増加するにつれ、4世代・5世代が同じ時代を生きるケースも決して珍しい話ではなくなりました。
身近なようでいて意外とあいまいになりがちな玄孫の定義について、曾孫(ひ孫)との明確な違い、家系図における正確な位置関係、そして相続や民法上の権利関係に至るまで、専門的な根拠を交えながらわかりやすく紐解いていきます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:玄孫の読み方は「やしゃご(げんそん)」であり、自分から数えて4代目の直系卑属(4親等)にあたる。
- 要点2:曾孫(3親等)の子であり「孫の孫」に該当。次の世代(5代下)は「来孫(らいそん)」と呼ぶ。
- 要点3:民法上、直系卑属の代襲相続に代数制限はないため、要件を満たせば玄孫にも法定相続権が発生する。
【家系図で整理】玄孫とは自分から見てどの関係?読み方と親等を徹底解説
「玄孫」は一般的に「やしゃご」と読み、漢語表現では「げんそん」と読まれることもあります。歴史的な文献を紐解くと、『続日本紀』(大宝元年・701年)にも「大臣、宣化天皇之玄孫」という記述が見られるなど、奈良時代から公的な血統表現として定着していた由緒ある呼称です。「玄」という漢字には「奥深い」「遠くて見えにくい」という意味が含まれており、自分から世代が遠く離れた子孫を指す語として用いられてきました。
日常会話で親しまれている「やしゃご」という和語の語源については諸説存在します。一説には、「弥(いや:いよいよ重なる)」と「曽(ひこ:ひ孫の古語)」が結びついた「いやひこ」が転訛したという言語学的見解や、曽孫(ひ孫)のさらに先に続く子どもを指す親族表現が口語化の過程で変化したという説が有力視されています。
家系図における位置づけを整理すると、玄孫は「孫の孫」であり、「曾孫(ひ孫)の子」にあたります。民法上の定義において、血族関係の遠近を表す単位である「親等」を計算する場合、親や子を経るごとに1親等を加算します。
自分(0親等)から直系を下に向かって数えると、以下のようになります。
- 子ども:1親等
- 孫:2親等
- 曾孫(ひ孫):3親等
- 玄孫(やしゃご):4親等
法律上、玄孫は「4親等の直系卑属」(ちょっけいひぞく:自分より後の世代に下る血のつながった親族)として明確に位置づけられています。反対に、玄孫から見た自分の呼び方は「高祖父母(こうそふぼ)」となり、高祖父(曾祖父の父)、高祖母(曾祖母の母)に該当します。

曾孫と玄孫の違いとは?「親族の呼び方一覧」で次の世代まで網羅
日常会話では「ひ孫」までは馴染みがあっても、その次の世代になると呼称があいまいになりがちです。曾孫(ひ孫)と玄孫の決定的な違いは、世代の深さと親等数にあります。曾孫は子どもから数えて3世代目(3親等)ですが、玄孫は4世代目(4親等)であり、そこには明確な一世代分の隔たりが存在します。
さらに「玄孫の次の子どもは何と呼ぶのか」という疑問を持つ方も少なくありません。日本の伝統的な親族呼称体系では、玄孫以降も直系卑属の世代ごとに厳密な呼び名が定められています。玄孫の次は「来孫(らいそん)」、その次は「昆孫(こんそん)」と続いていきます。
直系卑属および関連する親族呼称、親等、法的な位置づけを一覧表で整理しました。
| 続柄・呼称 | 主な読み方 | 世代差・親等 | 民法上の区分・親族該当性 |
|---|---|---|---|
| 子(こ) | こ | 1代下 / 1親等 | 直系卑属(親族) |
| 孫(まご) | まご | 2代下 / 2親等 | 直系卑属(親族) |
| 曾孫(ひまご) | ひまご / そうそん | 3代下 / 3親等 | 直系卑属(親族) |
| 玄孫(やしゃご) | やしゃご / げんそん | 4代下 / 4親等 | 直系卑属(親族) |
| 来孫(らいそん) | らいそん | 5代下 / 5親等 | 直系卑属(親族) |
| 昆孫(こんそん) | こんそん | 6代下 / 6親等 | 直系卑属(親族の限界線) |
| 仍孫(じょうそん) | じょうそん | 7代下 / 7親等 | 直系血族(法的な親族外) |
| 雲孫(うんそん) | うんそん | 8代下 / 8親等 | 直系血族(法的な親族外) |
民法第725条において「親族」の範囲は「6親等内の血族」「配偶者」「3親等内の姻族」と定められています。したがって、玄孫(4親等)はもちろん、来孫(5親等)や昆孫(6親等)までは法律上の「親族」として保護され、一定の権利義務関係が発生します。
【実態検証】実際に玄孫へ会える確率は?シミュレーションと長寿社会のリアル
一生のうちに玄孫と対面できる人は、客観的に見てどの程度存在するのでしょうか。行政書士やライフプランナーが作成する世代間シミュレーションをもとに、現実的な年齢要件を検証します。
仮に、一家の全員が20歳で第一子を出産し続けたと仮定します。
- 自分が子どもを産む:20歳(子が0歳)
- 子どもが孫を産む:40歳(孫が0歳)
- 孫が曾孫を産む:60歳(曾孫が0歳)
- 曾孫が玄孫を産む:80歳(玄孫が0歳)
このように、各世代が20歳前後という極めて早い段階で出産を重ねた場合、自分自身が80歳〜85歳の時点で玄孫を抱くことができます。80代前半であれば、現代の日本人の平均寿命(女性約87歳、男性約81歳)の範囲内であり、健康状態が良好であれば十分に直接対面することが可能です。
一方で、厚生労働省の「人口動態統計」によると、第1子出生時の母親の平均年齢は30歳を超えています。仮に全世代が30歳前後で出産したと仮定すると、玄孫が誕生する時点で自分は120歳に達していなければなりません。現在の日本国内における最高齢記録でも110代後半であることを踏まえると、平均的な出産年齢の家庭において玄孫と対面することは極めて稀なケースです。
地方自治体の敬老行事の広報記録や100歳以上の高齢者(センテナリアン)への記念品贈呈式における報道資料を分析すると、玄孫と対面できているケースには共通点があります。それは、「自身および娘・孫・ひ孫が10代後半から20代前半の若年期に出産していること」、そして「本人が90代後半から100歳を超える長寿を全うしていること」という二重の条件が揃っている点です。
全国に9万人以上存在する100歳以上の長寿者の中でも、実際に玄孫に会える確率は統計的に見てもごくわずかであり、複数の奇跡的なタイミングが重なって初めて実現する慶事といえます。

一般に知られていない盲点とネットの誤解|玄孫に相続権はあるのか?
親族関係が深まる中で、法務や実務の現場で頻繁に誤解されているのが「玄孫の相続権」と「扶養義務」の取り扱いです。ネット上の質問サイトやSNSでは、「遠い親戚だから相続権はないのではないか」「甥姪と同じように代襲相続は一代限りではないか」といった誤った言説が散見されます。
1. 代襲相続のルール:直系卑属は「再代襲」が無制限に続く
民法第887条の規定により、被相続人(亡くなった人)の子どもが相続開始以前に死亡している場合、その子ども(孫)が相続権を引き継ぐ「代襲相続」が発生します。さらに孫も先に亡くなっている場合は曾孫、曾孫も亡くなっていれば玄孫へと権利が移る「再代襲相続」が適用されます。
兄弟姉妹が相続人となるケース(民法第889条)では、代襲相続は甥や姪の「一代限り」に限定されており、甥姪の子どもへ権利が再代襲することはありません。しかし、直系卑属に関しては法的な代数制限が存在しません。したがって、上の世代が全員先に他界している場合、玄孫であっても第1順位の法定相続人として遺産を受け継ぐ正当な権利(遺留分を含む)を有します。
2. 戸籍謄本の取得難易度と遺産分割の実務リスク
法的な権利がある一方で、実務上の負担は極めて大きくなります。玄孫が相続人になるケースでは、数代にわたる出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍を遡ってすべて収集しなければなりません。戸籍の解読作業だけで膨大な時間を要し、相続登記(不動産の名義変更)や預貯金の解約手続きが数か月から年単位で停滞するリスクを孕んでいます。
3. 扶養義務の範囲(民法第877条第1項)
民法第877条第1項には「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定められています。玄孫は直系血族であるため、法文上は生活保持や支援の義務対象に含まれます。ただし、この義務は自身の生活を犠牲にしてまで養う義務(生活保持義務)ではなく、自分の生活に余力がある範囲で助け合う「生活扶助義務」にとどまるのが一般的な判例通説です。日常的な仕送り義務が直ちに強制されるわけではありません。
家族社会学と心理的距離|多世代化が進む社会で見落としてはならない教訓
人生100年時代といわれる現代社会において、5つの世代が同時に生存する現象は、家族の絆という美談の一方で、人間関係における新たな課題も浮き彫りにしています。
家族社会学の観点から見ると、昭和初期までの家制度の下では「直系家族」としての規律や家父長制的な統制が機能していました。しかし、核家族化と個人主義が浸透した現在、世代間の価値観の乖離はかつてないほど広がっています。高祖父母(自分)と玄孫の間には80年から100年近い時代の断絶があり、育った社会環境、テクノロジーへの親和性、倫理観は全く異なります。
ここで重要となるのが、臨床心理学でも指摘される「心理的バウンダリー(境界線)」の意識です。多世代が関わる拡大家族においては、悪意がなくとも以下のようなトラブルが生じやすくなります。
- 世代間による育児方針・教育観の衝突:「昔はこうだった」という高祖父母・祖父母世代の常識が、現役の子育て世代(親・曾祖父母)にとって過度なストレスや心理的負担となる。
- 経済的依存と共依存の構造化:高齢世代の資産に子や孫、曾孫世代が依存し、自立が妨げられる「パラサイト現象」の長期化。
- 介護負担の世代間連鎖:超高齢の家族を誰がケアするのかをめぐり、家族関係が疲弊するリスク。
【プロの結論】多世代の良好な関係性を保つための判断基準
玄孫の誕生という希有な慶事を家庭の幸福へとつなげるためには、世代ごとの生活圏と意思決定権を明確に分ける姿勢が不可欠です。「血のつながり」を過剰な精神的義務や同調圧力に転化させず、お互いに独立した個人として尊重し合う距離感を維持すること。それこそが、長期にわたる多世代関係において不必要な摩擦を避け、穏やかな関係を築くための鉄則です。

【玄孫 と は】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:玄孫(やしゃご)の漢字はなぜ「玄」という字を使うのですか?
A1:「玄」という漢字には「奥深い」「黒くて遥かな様子」「遠くて姿がはっきり見えない」という意味があります。自分から見て4代も下の世代になると、世代が遥か彼方に離れて姿がおぼろげになることから、古代中国の親族体系において「玄孫」という漢字が当てられたとされています。
Q2:玄孫は法律上の「親族」に含まれますか?
A2:民法第725条により、法律上の親族は「6親等内の血族」と定められています。玄孫は4親等の直系血族であるため、法的な「親族」に完全に含まれます。ちなみに、その次の「来孫(5親等)」や「昆孫(6親等)」までが民法上の親族となります。
Q3:玄孫のその子ども(5代下)は何と呼ぶのですか?
A3:玄孫の子どもは「来孫(らいそん)」と呼びます。さらに来孫の子どもは「昆孫(こんそん)」、昆孫の子どもは「仍孫(じょうそん)」、仍孫の子どもは「雲孫(うんそん)」と続いていきます。
Q4:玄孫に遺産を直接相続させることはできますか?
A4:可能です。子・孫・曾孫がすでに他界している場合は法定相続人として代襲相続できます。また、上の世代が存命であっても、公正証書遺言などを作成して「遺贈」する形をとれば、玄孫に直接財産を遺すことができます。ただし、被相続人の配偶者および1親等の血族(子・親)以外への遺贈となるため、相続税の2割加算の対象となる点には注意が必要です。
まとめ:長寿社会で知っておきたい玄孫の知識と家族のつながり
「玄孫(やしゃご)」は、自分から数えて4世代目、4親等にあたる直系卑属です。孫の孫であり、曾孫の子どもにあたる血縁関係を指します。平均寿命の延伸に伴い、実際に玄孫の顔を見られる長寿者が増えている一方、各世代の若年出産が条件となるため、現在でもその対面は極めて貴重な巡り合わせであることに変わりはありません。
また、法律上は代襲相続の対象となる親族であり、将来的な権利関係や戸籍の管理といった実務的な側面も持ち合わせています。言葉の定義や親等の数え方を正しく理解しておくことは、自分自身のルーツや家系図を振り返る際だけでなく、将来の相続手続きや世代間の円滑なコミュニケーションを築く上でも有益な知識となります。 (出典: 玄孫 と は(Yahoo!ニュース))